大判例

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東京高等裁判所 昭和32年(ネ)464号 判決

また、控訴人は、本件明細書の前掲文言は本件特許の優先権主張の根拠たるイギリス国における出願の明細書に記載がなく、これを誤読した結果挿入されたものであると主張するが、優先権主張による特許出願に当つては、外国における出願の明細書の記載事項中に、わが国における出願の内容が存在すれば、特許請求の範囲の記載は必ずしも同一である必要がなく、むしろ彼我の法制の相異にもとづき(例えば、特許請求の範囲の記載に関する一項目主義と多項目主義との差のごとき)、その記載方法を異にすることは当然であると言い得べく、したがつてわが国の特許の権利範囲の解釈について、彼の国の特許の明細書の記載が絶対の基準となるべきいわれがない。しかも、成立に争のない乙第十号証(英国特許明細書)を精読すれば、英国における右特許においても、頭部とスカート部とが同体に形成されることは必ずしも要件となつていないと認めるのが相当であるから、この点に関する控訴人の見解も亦採用できない。

(内田 原 入山)

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